November 22

 数々の采配の中でとりわけ論議を呼んだのは07年、日本ハムとの日本シリーズ第5戦で、8回終了まで完全試合を続けていた山井大介(33)を9回に交代させたシーンだ。落合監督は当時の真相をこうつづる。
〈山井は4回に右手中指のマメが破れ、血が噴き出しながら渾身の投球を続けていた〉
 日本シリーズ初の完全試合という大記録を目前にして、最後の守りを思案する落合監督だったが、
〈そこに、森コーチがやってきてこう言った。『山井がもう投げられないと言っています』〉
 落合監督自身、〈私も山井の完全試合を見たかった〉と記しているとおり、あれは非情采配などではなかったのだ。53年ぶりの日本一のために取った最善の策が、守護神・岩瀬仁紀(37)への継投。のちにさまざまな憶測が流れ、落合監督自身、批判の的にもなった。しかし、
〈すべては、あの場面で私が監督として決断し、その結果として『ドラゴンズは日本一になった』という事実だけが歴史に残るのだ〉
としている。